いつだって上機嫌

    言葉より雄弁な「ボディ・ランゲージ」 コミュニケーションが変わります

Gatekeeper:命の門番

 

全世界の自殺による死亡者数は、80万4千人と推定される。*1

すべての自殺は 悲劇 である。

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◇10代の自殺が止まらない

日本の自殺者の数は8年連続で減少傾向にあると以前の記事に書いた。

しかし、10代の子どもに限っては事情が違う。

日本の子どもの自殺率は2010年以降急上昇し、2017年に戦後最悪となった。*2

このブログで自殺の原因を考察するつもりはない。

伝えたいことは他にある。

まず、子どもの自殺が多い時期は9月ばかりではない。

4月中旬のがそのときだということ。*3

 

◇顔に現れる心の闇

子どももつく

苦しいときにも笑いますから、嘘を見抜く目が必要です。*4

注目すべきは、眉の動き

口角を上げて微笑んでも、眉が動かなければ本当の気持ちは別にある。

何をしていても全く眉が動かないのなら、

これはもう「何かを伝えたい」「気づいて欲しい」という段階を過ぎている。

感情が死んでしまっている可能性があるのです。

無論、眉だけを見て判断するのは早計です。

けれど、子どものSOSを見逃すよりはずっといい。

いつもと違うと感じたら注意深く見守る。そして、適切に介入します。

 

自殺に関しては俗説が多く、介入の邪魔になるので記します。

WHOは、次の俗説をすべて否定しています。特に 1.6.真実でないことを知っていてください。

◉自殺に関する俗説

  1. 自殺を口にする人は実際には死ぬつもりがない
  2. ほとんどの自殺は予告なく突然起こる
  3. 自殺の危機にある人は死ぬ決意をしている
  4. 自殺の危機にある人は、いつまでも危機にあり続ける
  5. 精神障害を有する人のみが自殺の危機に陥る
  6. 自殺について話すのは良くない。自殺を助長する可能性がある

 (WHO世界自殺レポート:『Preventing suicide A global imperative(2012)』) 

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◇苦悩する子をどう支えるか

人に「死にたい」と告白されて驚かない人はいない。

そこで、自殺の危機が高い人への接し方をご紹介します。大人も子供も対応に変わりはありません。

万能な方法ではありませんが、知っていれば落ち着いて危機に対応することができるでしょう。

◉TALKの原則

      厚生労働省および地方自治体の「ゲートキーパー養成講座テキスト」より要旨抜粋

 

Tell伝える

   自殺についての話題から逃げないでください。

  「死にたいと思うほど辛いのね。でも、私はあなたに死んでほしくない」と

   ハッキリ言葉にして心配している気持ちを伝えます。

 

Ask尋ねる

   死にたいという気持ちについて、率直に訊いてください。

  「どんなときに死にたいと思うの?最近考えたのはいつ?頻繁に考える?」など。

 

Listen傾聴

   自殺という選択肢しか思いつかなかったその子の状況を、ただ理解するため

   聴きます。

   聴き手が自分の経験を語って問題を一般化することは厳禁です。

 

Keep safe安全確保

   危険と判断したら、すぐに周囲にも援助を求めてください 。

   相手を独りきりにしない等、物理的な安全を確保することも忘れないで下さい。

相手の事情を聴いているときに、

「それほど辛いのに、今までよく頑張ってこられたわね」と労うことは有効です。

また「何がどうなったら、今の辛さは軽くなると思う?」と視野を広げる質問も有効です。

そして、

「すぐには解決しない問題かもしれないけれど、一緒に考えていこうう」と寄り添う気持ちを伝え、自殺はしないと約束を交わしてください。

 

◇Gatekeeperになってください

さて、本記事のタイトルでもある「ゲートキーパー」とはなにか

それは、
自殺の危険を示すサインに気づき、
適切な対応を行って支援につなぐことができる人
いわば「命の門番」のこと

この概念は、日本のみならず世界で使用されていて、WHOをはじめ多くの国々で「ゲート

キーパー養成プログラム」を実施しています。

資格職ではありません

その気があれば誰でも今日からゲートキーパーです。

より詳しい情報が必要な方は、厚生労働省ホームページをご覧ください。

「ゲートキーパー養成講座のテキスト」が公開されています。

また、各自治体のホームページにも支援方法の詳しい解説があります。

誰かを守るために、ぜひこれらの情報をお役立てください。

 

 

古い話ですが、私は失敗しました。

はたから見て彼女の人生には問題がなかった。

だから「死んじゃうかも」「死にたくなってきた」そう幾度聴いても、深刻さがわからなかった。

「自殺をほのめかす人は死なない」という俗説を無自覚に信じてもいた。

一時的に弱気になっていると思ったのです。

励ましてしまった。

とても熱心に、励ましてしまった。

若かったしバカでした。

始めJimmy Cliffの曲にしようと思い、次にEaglesのバラードを選んだのです。

でも、日曜の朝になってしまったのでクラプトンのアンプラグドにしておきます。Tears in heavenでは辛すぎますからこの曲を。

私も世界を変えたい!

♪ Eric Clapton『Change The World』

https://www.youtube.com/watch?v=x11NA63gLDM

書いていたら熱が入ってしまい、本文の語尾がバラバラですね(笑)後で読み返して修正します。

さ、今日も上機嫌で!

*1:WHOの2012年調査参照/自殺はデリケートな問題であり、自殺が違法とされる国もある。また、信頼できる死亡登録を欠く国もある。よって、数字は過小報告されている可能性があるという

*2:子どもの自殺は、実数よりも当該年齢人口で割った自殺率の方が正確に実態を捉えるとして社会教育学者の舞田氏が分析/資料:厚労省「人口動態統計」、警察庁「自殺の状況」

*3:自殺総合対策推進センターによれば、高校生の自殺は4月中旬が最多である

*4:不眠、食欲不振、無気力、集中を欠くなど、行動のサインにも当然注意を払ってください