いつだって上機嫌

    言葉より雄弁な「ボディ・ランゲージ」 コミュニケーションが変わります

視線の接触・アイコンタクト

 

恋愛感情の強いカップルは互いに見つめ合う時間が長い。

ところが、夫婦になると逆。

相性の悪い夫婦ほど、相手を見ながら話をする傾向があるのです。*1

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この好意を相手に伝えたい

自分のことを好ましい人物と思って欲しい

自分のことを認めて欲しい

そう思うとき、人はパートナーを見つめます。

ですから、初対面の二人よりも交際中のカップルの方が互いを見つめ合う時間が長い。

そして、夫婦はこの段階を過ぎている。

 

夫婦で会話中のアイコンタクトが多いのは、相手の気持ちがわからないから

自分の言うことを相手がどう受け止めているか探りながら話をするから、

阿吽の夫婦よりも問題のある夫婦の方が視線を合わせます。

このように、親密さを高める時期親密さが確定した時期とでは、コミュニケーション

の意味が違ってくるのです。

このことを知ってドラマや映画を見ると、監督や役者への評価が変わるかもしれません。

 

また、パフォーマンス心理学の佐藤綾子教授は、

アイコンタクトの長い人は次のような性格傾向を持つと言います。

男性は、自分を見て欲しい、業績を知って欲しいという自己顕示欲が強い。

女性は、異性に愛されたい異性愛欲求、相手を守ってあげたい擁護欲求が強い。

逆に、アイコンタクトが弱く短い人は、

男女の別なく万事に消極的で、頼りない印象を与えてしまうとしています。*2

視線の概念とは

 

知らず知らずのうちに多くの情報を伝える視線は、非言語コミュニケーションの中でも特に重要なチャネルです。

その視線にどのような概念があるか、一部を挙げてみましょう。*3

視線の長さ

  • 相互視(mutual gaze):相手と見つめ合う視線
  • 瞥見 (glances):会話をしながら相手を見る2〜3秒の短い視線
  • 相互の瞥見(mutual glance):相互に見合う1秒程度の視線

視線の方向

  • 固着(fixation):視線がどこに長く留まるか/視線がたどる軌跡

その他

  • 瞳孔の大きさ:光量で変化する他、興味あるもの、好きなものを見ると開く/アハ体験(閃き)で開く
  • 目の表情(eye expression):白目がどのくらい見えるか/目の上の筋肉の張り具合
  • 相手を見ていないときの視線の位置、方向
  • 瞬きの割合:(ベースラインからの変化に注目します)
 <  詳しくは後日「コントロール編」で解説します >

こうして書くと難しく思われかもしれません。

けれど、人と会話をするとき、皆さんもこれらのポイントから情報を得ているはずです。

そして、無意識に情報を処理し、相手の気持ちを読んだり、相手の印象の何割かを決めているのです。

目の表情を読むトレーニング

 

理屈ばかりでは楽しくありませんから、表情の変化を見つける練習をしてみましょう。

簡単なゲームですが、日ごろ無意識で行っていることを意識して行うことに意味があります。

道具は不要、協力者を1人だけ見つけてください。

①相手に、好きな人と嫌いな人を一人ずつ選んでもらいます。

② その間、あなたは相手のベースライン中立表情)を観察してください。

③ ゲーム開始です。

  相手に、①で決めた好きな人・嫌いな人のどちらかをイメージしてもらいます。

④ あなたは相手の表情を正面から観察し、どちらをイメージしているか当てます。

  これを10回くらい繰り返します。

目の表情が一番動くはずです。

ついで口元、そして鼻の辺りにも少しヒントが現れるでしょう。

 

慣れてきたらゲームの難易度を上げます。

好きな人、憧れの人、大嫌いな人、尊敬する人、興味のない人、懐かしい人など、いろいろな人の写真を用意します。(有名人やアニメキャラクターの写真でも構いません)

そのカードをトランプのようにカットして、相手に1枚ずつ見てもらいます。

あなたは相手の表情だけを見て、誰のカードを見ているか言い当てるのです。

これを、相手と写真を変えて何度も繰り返し行うと、表情から人の心を読み取るのが上手くなります。

また、日本人に多いとされる視線恐怖症状を克服する訓練にもなり、一石二鳥です。

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 欧米人に比べて日本人はアイコンタクトの頻度が低い。

これは以前からよく知られることですが、近頃、さらに興味深い指摘がされました。*4

日本人は正面からアイコンタクトを取られると、「近づきがたい」「相手が怒っている」と感じる割合が諸外国人に比べ高いというのです。

正面から目と目を見つめ合うばかりがアイコンタクトではありませんが、

1分のうち30秒くらいは視線を交わせた方がコミュニケーションがスムースです。

 

アメリカでは、子供にこんな風にアイコンタクトを教えます。

お友達に会ったら、瞳の中のステキなところを3つ見つけるんだよ。

 それまでジッとお友達の瞳を見てごらん

アイコンタクトが苦手な方は、表情を読むゲームをしながら、相手の瞳のステキなところを探してみてください。

そして、3つ見つけたら言葉にして教えてあげましょう。

これで2人の親密度が高まれば、一石三鳥ですね。

 

あとがき

実は・・、「★消失」の現象はコメント欄だけではありません。PRO変更前に掲載した記事の★が管理画面では「0」行進なのです。(どういうわけかGatekeeperだけは無事・・)いつの日か、ブログ画面でも★が全て消えたとしても故意ではありません。その節はお許しください!!

本日の一曲

本来フュージョンは苦手なんですが、ジャコパスのベースはただ事ではありません。これは時折聴きたくなります。今日の仕事の感じに合わせてBird landを。

♪ Weather Report 『Bird land』

https://www.youtube.com/watch?v=Ae0nwSv6cTU

 さ、今日も上機嫌でいきましょう !

*1:1990年大坊郁夫/社会心理学

*2:実験年1993年、発表1995年『自分をどう表現するか』講談社現代新書

*3:アーガイル/社会心理学

*4:東京大学総合文化研究科広域科学専攻 教授 長谷川寿一他