あちらの綺麗なヤツをお持ちします
こんにちは、Nijouです。
皆さま、 役割語*1という概念をご存知でしょうか。
たとえば、
「私は知っている」ということを、
「ボク知ってるよ」と言えば幼い男の子、
「ワシは知っておるのじゃぞ」と言えば老人、
「わたくし、存じておりますわ」と言えば貴婦人のイメージが浮かびます。
たぶん皆さんも同じでしょう。
こんな風に、
話し手のイメージと密接につながった話し方の類型のことを、「役割語」と言います。
この役割語を間違えると、おかしな世界が出来上がる。
たとえば、
お蝶夫人が金の巻き毛を揺らしながら、
「ヒロミどん、コートの中では誰でも独りきりでごわす!」
ヒロミの異変に気づいた北斗の拳のケンシロウが、
「お蝶、ヒロミはもう亡くなっていてよ!」
とそこへ、耳をネズミに齧られた猫型ロボットが現れて
「オレ、ドラえもんだぜ✨」と、ポケットからAEDを取り出してヒロミを救う
なんて具合に、
役割語を違えると言語と非言語のイメージがチグハグになって世界観が歪んでしまう。*2
今日のタイトル
「あちらの綺麗なヤツをお持ちします」というのは、先日、あるデパートの女性販売員に言われた台詞です。
世界観が歪むほどのことはありませんが、「ヤツ」とは話し手のイメージに合わない。
また、こちらの期待に届かない話し方で少し残念な気持ちがしました。
他者とコミュニケーションするとき、私たちは互いに相手の役割に期待を持ちます。
その期待とイコールの話し方や態度だったら違和感がない。
そして、期待を上回る話し方や態度で接すれば相手は満足します。
結果、コミュニケーションがスムースになる。
皆さんは、ご自身への期待やイメージにふさわしい話し方をしていますか?
そろそろお昼休みが終わるころでしょうか。
さ、午後も上機嫌でいきましょう!